悪方位は必ずしも凶ならず その1

   

中村文聡

 中村文聡(なかむらぶんそう)という気学の大家をご存知でしょうか。
 彼の著書の中で、ある実験を身を持って行っていることが記されています。 それは、自分は五黄殺へ弟子たちは暗剣殺や本命殺へと屋敷を引っ越す、というものでした。 その結果は…、大病を患う、大怪我をする、家庭不仲になる、火事になる…と、 ありとあらゆるの災いごとが彼らの身に降りかかります。
 しかしある時期、約12年と11ヶ月経った頃に霧が晴れたように災い事も降りかからなくなったばかりか、 この頃を境にして中村文聡自身の名が気学家として広まり始めたそうです。

凶方位と悪因縁(カルマ)

 凶方位をとると自らの悪因縁、カルマ、家代々の刧が噴出し、 また自分の悪い性格の側面が目立つようになるといわれます。 ですから、やること為すことほとんどが悪い方向へと雪崩の如く災いごとが降りかかってくるのです。
 中村文聡とその弟子たちは気学家としての人生を賭けて全うしようとしたのです。 そして結果的には12年弱の月日が立つとピタリと災いごとが起きなくなったそうです。 つまり、自分たちが持っている災いが起こる因縁、悪しき因縁、カルマ、家代々の刧が抹消されたといえるのです。
 そうなってからは悪方位の象意が出なくなったばかりか、 更に悪方位をとっても災いごとは降りかからず全く悪い影響がでなくなったといわれています。
 悪方位をとった象意として、五黄殺は自分から腐っていく…、 暗剣殺は暗闇の中から剣で襲われるように外から障害がやってくる…、ということがいえます。 つまり五黄殺や暗剣殺等の悪方位を取ると、 このような象意が現れて自分たちの持っている刧が吹き出て全てが清算されていく、と中村文聡は記しています。 全てが清算されたならこれ以上の災いごとを引き起こす刧がないものだから、 それ以降は新しい刧を積まない限り悪方位の象意が現れてこないといわれています。 巷には、年盤で悪方位をとると60年間作用する、と書かれている本もあるようですが、 実際のところ本人が持っている刧がなくなればそれ以上災いは起こることはないようで、 前述の中村文聡の場合は12年弱だったのです。
 ただ、自分の刧が全て清算されるまでの間に、あまりにも苦しい日々が続くこともあるでしょう。 刧が抹消されるまでの間に卑屈になったり自信喪失になってしまったりということもありますから、 好き好んで悪方位をとる人はいません。 生まれ持った刧、因縁を清算させるために悪方位をとる等ということは、私自身も全くおススメもしません。

方違えは有効か?

 五黄殺や暗剣殺といった悪方位の象意から逃れる方法として、 方違(かたが)えの法”や“次元層取り”といった応用技法があります。 方違えや次元層取りとは1年単位で行うもので、しかも実践するに当たっては厳密な制約に則って行う必要があり、 それでも効果は完全完璧ではありません。
 「このような危機のときこそ占いではないか…」と思う人は多いですが、実はそうではありません。 もし悪い象意や方災を完全に除け覆すことができるのなら、方位学そのものの存在と意義が失われます。 なぜなら、五黄殺や暗剣殺に対して方違えなどの開運法を実践して悪い象意がなくなるのなら、 悪い方位が存在すること自体に意味がなくなり、吉方位しか存在しなくなります。
 気軽に方違え等を勧める人もいるようですが、 私自身の考えとしては運勢とはそんな簡単簡素簡潔に変わるものではないと考えています。 さらには方違えや次元層取りといった悪い象意や方災を除け覆す方法とは、占いの“方便”だという人もいます。
 ではまったく効果がないかというと、そういうわけでもありません。 運勢的にマイナスをゼロやプラスには出来ませんが、 例えばマイナス10のところをマイナス8とかマイナス6くらいに緩和することはある程度可能です(方違えや次元層取りも基本的には同じです)。
 また方災除けの参拝についてですが、神仏を敬うことは大変すばらしいことです。 しかしながら前述したとおり、悪い象意や方災を完全に除け覆すことは難しいでしょう。 そもそも論ですが、「方災がなくなりますように」「不幸になりませんように」と消極的に祈るものではなく、 方災除けの祈願とは「災いが起きようとも、それが人生の糧となり、より大きな人間になるため、 より深い懐の持つ人となるための経験と教訓となり、 結果としてもっと大きな幸せを掴むことが出来ますように」と祈るものです。
 占いのみならず、人生上に起きてしまった事柄や決定してしまった事柄を覆すことは困難であることがほとんどです。 大病を患ってから健康に気を使うのと同じように、また転勤が決まってから方位がどうのこうのというのはいささか遅く、 困ったときの神頼み、占い頼みではフォローするのにも限界があります(つづく)。


関連記事は下記から…

悪方位は必ずしも凶ならず その2
その他の話題やエッセイ、記事はこちらから…

credit:NASA

サイトマップ

リンクサイト

〜 本棚 〜