北はどこ? 磁北と真北

   

磁北と真北

 知っている人も多いかと思いますが、“北”には二種類あります。 磁北と真北がそれにあたり、簡単な説明をすると以下のようになります。

磁北

方位磁石が指し示す北の方位
場所にもよりますが、方位磁石の針は日本国内で約6度ほど西にずれて(偏角)、北を指します。

真北

地図上の北。北極星がある方位。

北極星を中心とする日周運動

どちらの“北”を採用するか

 風水や方位学などでは、磁北と真北のどちらを採用するのかという議論はよく聞かれるものでしょう。 占い師の間でも意見の分かれるところでもあります。
 まず磁北説を採っている方々の根拠を示してみましょう。 彼らが主張するものは、人間は地磁気の影響を受けて生まれてきて生活しているので無視できない、というものです。 確かに地磁気が乱れると人間の精神に悪影響を与えるといわれており、 交通事故が多い場所なども地磁気が乱れているという話もあるといいます。 私自身、この地磁気が人に与える影響は小さくないと考えていますので、 地磁気の影響力そのものは否定しません。むしろ精神面に対する影響力は大きいと考えています。
 しかしよく考えれば気付く事ですが、気学や風水、鬼門遁甲などで使用される方位の考え方は、 地磁気を考慮して編み出されたものではありません。 これら占いの考え方の根幹には陰陽説・五行説があり、ここから派生したものだからです。
 この世の全ては陰陽と木火土金水の五行のバランスによって構成されていると考えられていました。 つまり大極が陰陽に別れ、陰陽が木火土金水の五行に別れ、そのバランスによって万物が形作られているという考え方です。
 そして宇宙観として、大極=動かないもの、中心、すなわち天空の中心は北極星という思想が生まれ、 北辰信仰に結びつきました。また古代の人々は天空の星々を見て方位と暦を読み取りました。

東西南北はどうやって定めたのか

 風水でよく使われる羅盤。この歴史は方位学の歴史に比べて、そんなに古いものではありません。 11世紀あたりにならないと羅盤(羅針盤の原型)、つまり地磁気の考え方が出てきません。 しかし東西南北、方位はもっともっと昔から決められていました。
 古代の人々はどのように方位を決めていたのかというと、太陽や天空の星々の動きをみて決めていたのです。 つまり太古の人々は磁石で方位を決めていたのではなく、天地自然のありのままの姿である天空をみて方位と暦や気の流れを読んでいたのです。
 そのことからも本来あるべき考え方とは、木火土金水で構成される五行の気は地磁気に沿って流れているのではなく、 宇宙の動き・天地自然・森羅万象の動きに沿って動いていると考えるのが自然です。
 このように陰陽五行説に鑑み気学や風水の成り立ちから考えてみれば、“北”は真北を指したほうがより自然であり、 より正しい北の方位といえるのです。


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credit:NASA

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